結論|経済科学部は「共通テストで多少しくじっても、二次で取り返せる」学部です
新潟大学が公表している令和7年度入学試験の合格者データから始めます。予備校の推定ボーダーではなく、大学が公表した実数です。まずは、実際に合格した人の点数を見てください。
| 経済科学部 総合経済学科(前期日程) | 配点 | 最高点 | 最低点 | 平均点 |
|---|---|---|---|---|
| 共通テスト | 550点 | 451.5点(82.1%) | 301.1点(54.7%) | 363.5点(66.1%) |
| 個別学力検査(二次) | 600点 | 403.0点(67.2%) | 184.0点(30.7%) | 293.2点(48.9%) |
この表から読み取ってほしいことが2つあります。1つ目は、共通テストの最低点が54.7%——つまり半分ちょっとしか取れなくても合格した人が、実際にいるということ。2つ目は、二次(個別学力検査)の配点600点が、共通テスト550点より大きいという事実です。
逆に言えば、共通テストの点数だけを見て「もう無理だ」と諦めるのは、この学部に関しては早すぎます。勝負は、二次でどれだけ書けるかにかかっています。
なぜ「共通テスト54.7%」で受かるのか|配点を分解して確かめます
「二次で取り返せる」と言われても、感覚的には信じにくいと思います。そこで、配点を数字で分解して、本当に取り返せるのかを確かめます。
| 区分 | 配点 | 全体に占める割合 |
|---|---|---|
| 共通テスト | 550点 | 約48% |
| 個別学力検査(二次) | 600点 | 約52% |
| 合計 | 1150点 | 100% |
まず、全体1150点のうち二次が600点。合否を決める点数の半分以上(約52%)が二次です。共通テストは約48%。多くの国公立大は共通テストの比重が高いのですが、経済科学部はその逆で、二次のほうが重い。この時点で「共通テスト一発勝負ではない」ことが分かります。
共通テストは「どの科目で何点取るか」を設計する
「二次で取り返せる」とはいえ、共通テストで大きく崩していい理由にはなりません。共通テストで崩しすぎると、二次で取り返すべき点数が増えて苦しくなるからです。目安は、合格者平均の66.1%前後。ここを狙うために、科目ごとの考え方を整理します。
経済科学部の共通テストは配点550点。文系志望の受験生が多いので、得点源は英語・国語・社会、崩さないようにするのが数学と理科、という設計が基本になります。
| 科目 | 考え方 |
|---|---|
| 英語(R+L) | 二次でも使う主力科目。共通テストでも安定して7〜8割を取りたい。リスニングも配点があるので毎日耳を慣らす |
| 国語 | 現代文で安定させ、古文・漢文の失点を減らす。文系の得点源になりやすい |
| 社会(地歴・公民) | 暗記量が結果に直結する。早く始めて夏までに一通り、秋以降で完成度を上げる |
| 数学IA・IIB | ここで大きく崩すと痛い。満点は狙わなくていいので、取れる問題を確実に。二次の文系数学対策がそのまま効く |
| 理科基礎 | 配点は大きくないが、基礎事項の取りこぼしをなくすだけで底上げになる |
二次の英語を、実際に解いて見せます
ここからが本題です。経済科学部の二次は、英語・数学・国語(現代文)の3科目すべてが必須で、各200点・合計600点です。まず、最も配点の柱になる英語から見ます。新潟大学の二次英語は全学部共通で、90分・大問3題・すべて記述。マーク式もリスニングもありません。中身はこうです。
| 大問 | 内容 | 問われる力 |
|---|---|---|
| 大問I・II | 長文読解(下線部和訳+字数指定の説明問題) | 正確に読み、日本語で過不足なく説明する力 |
| 大問III | A:和文英訳(2問)/ B:自由英作文(100語程度) | 日本語を英語に直す力/自分の意見を英語で構成する力 |
共通テストのマーク対策だけでは、1点も書けません。ではどう書くのか。実際の解き方を、手順まで見せます。
① 下線部和訳の解き方
この5手順は、どんな英文にも同じ順で使えます。和訳が苦手な人は、いきなり日本語にしようとして骨組みを飛ばすのが原因です。順番を守るだけで、点の付き方が変わります。詳しくは 英語の和文英訳・和訳の対策 で実際の問題を使って解説しています。
② 100語の自由英作文の解き方
この6ブロックで、合計およそ100語になります。あとは中身を入れ替えるだけ。さらに新潟大学では、答案の最後に「(102 words)」のように語数を明記させるのがルールです。数え忘れは避けましょう。書いた英作文は必ず第三者に添削してもらうこと——文法ミスは自分では気づけません。組み立ての詳細は 自由英作文の対策 にまとめています。
③ 二次英語の勉強法
| 段階 | やること | ここを飛ばすと |
|---|---|---|
| 1. 単語・熟語 | 二次レベルの語彙まで。派生語・多義語も | 読解で意味が取れず、和訳が崩れる |
| 2. 文法・語法 | 英作文で使う「正しい形」を固める | 英作文で減点が積み重なる |
| 3. 英文解釈 | 1文を構造から正確に訳す訓練 | 下線部和訳で骨組みを外す |
| 4. 和訳・説明の演習 | 字数指定でまとめる練習 | 本番で時間内に書き切れない |
| 5. 英作文の添削 | 書いて→直してもらうを反復 | 自己流の癖が抜けず点にならない |
二次の文系数学を、実際に解いて見せます
経済科学部のもう一つの柱が、文系数学です。全員が大問1〜4を90分で解きます。過去3年を見ると、傾向がはっきりしています。
| 特徴 | 中身 |
|---|---|
| 大問4は微積分 | 3年連続で、大問4は微分積分が出題されています |
| 毎年どこかに証明 | 「〜を示せ」「〜でないことを証明せよ」が毎年入ります |
| 理系数学と共通問題 | 文系数学の一部は、理系数学と同じ問題(数III範囲を除く)。理系の過去問も教材にできます |
① 証明問題の解き方
証明の答案の書き方は 数学 証明問題の対策 で、実際の答案を最初から最後まで組み立てて見せています。
② 「文系だけど理系数学も使える」という裏技
過去問を分析すると、文系数学の一部は理系数学とまったく同じ問題です(数III範囲を除く)。つまり文系受験生でも、理系の過去問や問題集を演習材料に使えるということ。使える教材が一気に増えます。これは意外と知られていない、経済科学部志望者の武器です。詳しくは 文系数学の傾向と対策 に書いています。
③ 文系数学の勉強法
| 段階 | やること |
|---|---|
| 1. 基礎の型 | 教科書〜基礎問題集で、解法の型(パターン)を一通り身につける |
| 2. 頻出分野を厚く | 微積分・場合の数・確率・ベクトルなど、頻出分野を重点的に演習する |
| 3. 証明の答案化 | 「示せ」の問題を、途中式と一言説明つきで書き切る練習 |
| 4. 過去問+理系過去問 | 時間を計って解く。理系の共通問題も教材に使う |
二次の国語(現代文)|これも必須科目です
経済科学部の二次は、英語・数学・国語の3科目すべてが必須です(各200点・合計600点)。国語も選択ではなく必須ですが、古文・漢文は範囲外で、現代文のみが出ます。第一問(現代文)と第四問のみを解きます。古文単語や漢文句法に二次対策の時間を割く必要がないぶん、現代文の記述と英語・数学に集中できます。ただし共通テストでは古文・漢文が出るので、そちらの対策は必要です。学部別の詳細は 国語は古文・漢文が必要? にまとめています。
経済科学部に合格するための戦略(まとめ)
ここまでを、行動レベルに落とし込みます。
| やること | 理由 |
|---|---|
| 二次の記述対策に最も時間を割く | 配点の52%が二次。英語・数学の記述が合否に直結する |
| 英語は「書く」練習を早く始める | 和訳・説明・英作文は、書いて添削される回数がそのまま実力になる |
| 文系数学は証明と微積分を厚く | 毎年出る分野。答案の型づくりに時間がかかる |
| 共通テストは平均66%を土台に | 崩しすぎると二次での挽回が苦しい。崩さない水準を確保する |
| 古文・漢文の二次対策は不要 | 浮いた時間を英語・数学・共通テストに回せる |
時期別ロードマップ(高2冬〜本番)
| 時期 | やること | ここでの目標 |
|---|---|---|
| 高2の冬〜高3春 | 英語・数学の基礎固め。経済科の配点(二次52%)を頭に入れ、二次科目に軸足を置く | 英単語・文法・数学の型を一通り終える |
| 高3の春〜夏 | 英語の記述・数学の証明に着手。共通テスト対策と並行 | 下線部和訳・証明を「手順で解ける」状態にする |
| 高3の夏 | 二次の過去問を1年分解く。何が足りないかを把握する | 本番の分量・時間感覚をつかむ |
| 高3の秋 | 記述の答案を人に見てもらう段階へ。共通テストの精度も上げる | 英作文・記述の減点を1つずつ潰す |
| 共テ後〜二次直前 | 二次の過去問を時間を計って。英語・数学の記述で点を積む | 本番で書き切るスピードを仕上げる |
よくある失敗5つ(と、その理由)
| やりがちな失敗 | なぜ致命的か |
|---|---|
| 予備校のボーダーだけ見て諦める | 実際の共テ最低は54.7%。ボーダーは「合格可能性50%ライン」であって、それ以下でも受かった人はいる。ボーダーで判断すると、届く可能性まで自分で消してしまう |
| 二次逆転を過信して共通テストを軽視する | 共通テストで50点崩すと、二次で約8〜9%(記述1問分)を余分に取る必要が出る。二次の負担が跳ね上がる |
| 古文・漢文の二次対策に時間を使う | 経済科学部の二次では出ない。ここに時間を使うのは、そのまま英語・数学の時間を削ること |
| 英語を共通テスト対策だけで済ませる | 二次は全問記述。マークで8割取れても、和訳・英作文は別物。書く練習をしないと1点も伸びない |
| 二次の記述を自己採点で済ませる | 和訳・証明・英作文は、答えが合っていても書き方で減点される。自分では気づけない。第三者の目が必須 |
その力をつけるために、本当に必要なこと
| やるべきこと | 本当に必要なもの |
|---|---|
| 二次重視の計画 | 配点から逆算した設計(二次52%をどう取りにいくか) |
| 英語・数学の記述力 | 書いた答案を見てもらう機会(和訳・証明・英作文は自己採点できない) |
| 共通テストとの両立 | 崩さない水準の確保と、二次への時間配分 |
| 毎日の実行 | 計画を実行し切る管理(正しい計画も、続かなければ0点) |
合格最低点も配点も、二次の解き方も、この記事で全部お伝えしました。調べれば分かることは、出し惜しみせず書いたつもりです。でも、最後に一つだけ、記事では埋められないものが残ります。それは、「あなたの今の学力から、共通テストと二次にどう時間を割り振り、書いた答案が本当に点になっているかを、毎週見てくれる人」です。ここだけは、参考書にも、この記事にも、置いておけません。
よくある質問
Q. 新潟大学の経済科学部は共通テストで何割必要ですか?
A. 令和7年度の合格者の共通テスト最低点は301.1点/550点(54.7%)、平均は363.5点(66.1%)でした。最低点は「その年の最下位合格者」の記録なので、目標は平均の66%前後に置くのが安全です。
Q. 共通テストで失敗しても二次で逆転できますか?
A. 可能性は十分あります。配点が共テ550:二次600で二次のほうが大きく、合格者の二次最低点は30.7%、平均48.9%です。共通テストのビハインドが62点(約10%)でも、二次で5割半〜6割取れれば埋められる計算です。ただし共通テストで崩しすぎると挽回幅が大きくなるので、共テも崩さないことが前提です。
Q. 経済科学部の二次は何の科目ですか?
A. 英語・数学・国語(現代文)の3科目すべてが必須で、各200点・合計600点です。国語は古文・漢文を除く現代文のみ。いずれも全問記述で、書く力が問われます。
Q. 経済科学部は二次で古文・漢文が出ますか?
A. 出ません。二次の国語は第一問(現代文)と第四問のみで、古文・漢文は解答対象外です。ただし共通テストでは出るので、そちらの対策は必要です。
Q. 数学が苦手でも経済科学部は狙えますか?
A. 二次に数学があるため避けては通れませんが、文系数学は範囲が数I・A・II・Bに限られます。毎年出る証明・微積分に絞って対策でき、理系数学と共通の問題も演習に使えます。早めに証明の型を作ることが鍵です。
Q. 英語の記述はどれくらいのレベルですか?
A. 下線部和訳、字数指定の説明、和文英訳2問、100語の自由英作文です。単語や文法だけでなく「書く」練習が必要で、共通テストのマーク対策とは別物と考えてください。
Q. 独学でも経済科学部に合格できますか?
A. できます。ただし二次の記述(和訳・証明・英作文)は自己採点が難しいため、書いた答案を第三者に見てもらう機会をどう作るかが、独学の成否を分けます。
Q. このデータはどこの数字ですか?
A. 新潟大学が公表している「データブック2026」に掲載された、令和7年度入学試験の合格者データです。予備校の推定値ではありません。
新潟大学に合格するには
ここまで読んでいるということは、本気で新潟大学に合格したいということだと思います。合格するために不可欠な要素は、次の5つです。
新潟大学の入試には独自の傾向があります。新潟大学に特化した計画を立てることで、合格への最短距離を進むことができます。多くの受験生や高校生は、自分オリジナルの計画で余計なことをしてしまったり、逆に必要なのにそれを飛ばしたりと、合格まで遠回りする計画を立ててしまいがちです。正しい計画を立てることが、一番の合格への近道です。
計画を毎日しっかり実行することが大切です。どれだけ素晴らしい100点の計画を立てても、実行しなければ意味はありません。とはいえ、1人だと9割以上の人がどこかでサボってしまうのが現実です。だからこそ、誰かに管理してもらう環境が欠かせません。逆に、正しい計画をサボらずにやりきれば、ほとんどの人が合格できます。
成績が上がるのは「分からなかった問題が分かるようになった時」だけです。もともと分かる問題を1,000回、1万回、10万回解いても点数は変わりません。まず必要なのは、分かるところと分からないところをはっきりさせること。それを明確にするのが毎週の確認テストです。2ヶ月や3ヶ月に1回では遅すぎます。1週間に1回、勉強した範囲が本当に身についているかをテストすることが大事なのです。
一度決めた計画がその通りに進むことはありません。先週の勉強量が少なかったのか、多すぎたのかを毎週振り返り、翌週の計画を一緒に決めていきます。1ヶ月に1回の面談では、その1ヶ月がダメだった場合、まるごと無駄になってしまいます。1週間に1回にすることで、計画が崩れてもリスクを最小限に抑えられます。
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この5つ、どれか1つでも欠けると合格は一気に遠のきます。しかし現実には、独学・集団授業・個別指導のいずれも、5つすべてを揃えるのは難しいのです。
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