新潟大学の英語は、どんな試験か
令和5・6・7年度の3年間、新潟大学の英語(前期日程)は試験時間90分・大問3題・全問記述式で一貫しています。人文・教育・法・経済科学・理・医・歯・工・農・創生——全学部が同じ問題を90分で解きます。学部で問題が変わることはありません。
【大問I・II】長文読解|実際の問題を、解いて見せます
大問IとIIは、どちらも長めの英文を読んで、和訳と内容説明を書く問題です。3年間で出た英文には、はっきりした共通点があります。小説や物語文が、一度も出ていません。ジャガイモ収穫の実用記事、時計や気候の歴史、ビジネスの話、書評——話題はバラバラですが、すべて大人向けのノンフィクション(説明文・論説文)です。
「傾向」だけ言われても対策になりません。実際の問題を、解いて見せます。
① 和訳問題は、どのくらいの精度を求められるのか
和訳は、こうした細かい判断の積み重ねで点が決まります。1文につき減点ポイントが3〜4か所ある、と思ってください。
② 字数指定の説明問題は、こう組み立てます
次に、内容を字数指定でまとめる問題。これが新潟大学の英語で最も差がつく設問です。実際に出た問題で、答案の作り方を最後まで見せます。
③ 下線部のない説明問題もあります
「本文のどこに答えがあるか」を自分で探す設問も出ます(令和6年度・大問IIの『1日を24時間とする数え方の起源』など)。攻め方は決まっていて、①設問のキーワードを本文から探す ②because / so / This is why などの論理語の周辺を見る ③1段落=1話題を意識して該当段落を特定する。この3手で、探す範囲を一気に狭められます。
【大問III-A】和文英訳|「直訳できない日本語」を、どう英語にするか
大問IIIは、読むのではなく自分でゼロから英語を書く大問です。前半(問題A)は和文英訳。3年とも、随筆やエッセイのようなやわらかい日本語と、新聞・時事の文章から出ています。共通するのは、そのまま英語に直訳できない、こなれた日本語だということ。
コツは1つ。「元の日本語」→「自分が英語にできるやさしい日本語」→「英語」の3段階で考えることです。実際にやってみます。
和文英訳で減点される人の多くは、硬い日本語を辞書的に直訳しようとして、崩れるパターンです。「一度やさしくする」というワンクッションを、習慣にできるかどうかが分かれ目になります。
【大問III-B】自由英作文|100語の「完成形」を見せます
大問IIIの後半(問題B)は、テーマに対して英語で100語程度の意見を書く問題です。3年のテーマは「あなたにとって特別なモノ」「給料が全部同じなら何の仕事を選ぶか」「16歳未満のSNS禁止に賛成か反対か」。正解のない問いに、自分の立場を決めて理由を述べます。しかも解答欄末尾に、使った語数を「(102 words)」のように書く指定つき。
これも「型」があります。次の6ブロックで、100語はちょうど埋まります。
| ブロック | 書くこと | 目安語数 |
|---|---|---|
| ① 立場・結論 | 質問への答えを最初に書く | 15〜20語 |
| ② 理由1 | First, 〜 | 15語 |
| ③ 理由1の具体化 | 例・体験を足す | 20語 |
| ④ 理由2 | Second, 〜 | 15語 |
| ⑤ 理由2の具体化 | 例・体験を足す | 20語 |
| ⑥ まとめ | For these reasons, 〜 | 10〜15語 |
90分を、どう配分するか
ここを甘く見ると、実力があっても落ちます。90分で長文2題+英作文。目安はこうです。
| 大問 | 内容 | 目安時間 |
|---|---|---|
| 大問I | 長文読解(和訳・字数指定説明) | 26〜28分 |
| 大問II | 長文読解(和訳・字数指定説明) | 26〜28分 |
| 大問III | 和文英訳2問+自由英作文100語 | 30分 |
| 予備 | 語数確認・見直し | 4〜8分 |
ポイントは大問IIIに最も多く時間を残すこと。読解問題は途中まででも部分点の可能性がありますが、100語の英作文は、書き切らないとほぼ0点だからです。残り10分から100語を書くのは、書き慣れていなければまず無理。英作文に不安がある人は、大問IIIから解くのも十分ありえる戦略です。
ただし最適な配分は人によって違います。読むのが速くて書くのが遅い人、その逆の人。だから過去問は必ず大問ごとに時間を計って解き、自分の実測値で配分を決める——これをやらずに本番に行くのは、地図なしで山に入るようなものです。
では、合格点を取るには「どんな力」が必要か
ここまで見た問題を解けるようになるには、次の5つの力が要ります。一つずつ、なぜ難しいか・何が要るかまで分解します。
なぜ、そう簡単ではないのか:先ほどの和訳で見た通り、「なんとなく分かる」では1点も来ません。主語・述語の対応、修飾のかかり方、代名詞・here が指すもの——これらを正確に特定して、日本語として成立させる必要があります。
身につけるために要ること:1文ずつ構造を図解できるレベルの訓練。そして自分の読み方が合っているかを確認してくれる目。構文の誤りは、意味が通ってしまうので自分では気づけません。
なぜ、そう簡単ではないのか:字数指定の説明は、実は日本語の力を問うています。本文の根拠を特定し、必要な要素を抜き、80字にも120字にも収める。これは英語力とは別の技術で、「英語は読めたのに説明問題で点が取れない」人はここが抜けています。
身につけるために要ること:同じ設問を字数を変えて書き直す練習。そして書いた要約の過不足を指摘してもらうこと。
なぜ、そう簡単ではないのか:硬い日本語を直訳しようとすると詰まります。「一度やさしい日本語に言い換える」発想と、それを支える基礎的な英作文力が要ります。
身につけるために要ること:和文英訳の反復と、書いた英文を直してもらう添削。文法ミスや不自然さは、自分では気づけません。
なぜ、そう簡単ではないのか:立場を即決し、理由を2つ英語で組み立て、具体例を足し、語数を数える。内容・スピード・正確さを同時に求められます。
身につけるために要ること:「書く→直す→また書く」の反復と、テーマ別の型づくり。そして毎日書き続けるための管理。英作文は、一人だと続かないのが最大の壁です。
なぜ、そう簡単ではないのか:読解に時間をかけすぎると英作文が白紙になります。100語を書き切れないと、その配点はほぼ丸ごと消えます。
身につけるために要ること:過去問を大問ごとに計測し、自分の型を作ること。実測値がないと、本番で必ず時間に殺されます。
では、具体的に何を・どの順番で・どれだけやればいいのか
必要な力は分かった。問題は「で、何をすればいいの?」です。順番があります。下から順に積み上げないと、上は絶対に乗りません。
| 段階 | やること | 目安 | ここで手を抜くと |
|---|---|---|---|
| STEP1 | 単語・文法の土台:基礎単語帳1冊+基礎文法 | 高3の夏前まで | 以降のすべてが崩れる |
| STEP2 | 構文:英文を1文ずつ構造分解できるようにする | 夏まで | 和訳で1点も取れない |
| STEP3 | 論説文の長文演習:硬めのノンフィクションを読む | 夏〜秋 | 読むのが遅く、時間が足りない |
| STEP4 | 記述の型:字数を変えて説明を書く練習 | 秋〜 | 説明問題が壊滅する |
| STEP5 | 和文英訳・自由英作文:毎日書いて直す | 秋〜直前 | 大問IIIが白紙になる |
| STEP6 | 過去問:時間を計り、大問別に振り返る | 直前期 | 本番の戦い方が身につかない |
使う参考書の具体名と、1冊ずつの使い方は 【新潟大学】英語の参考書ルートと勉強法 に、順番通りにまとめています。あわせて読んでください。
時期別ロードマップ(高2冬〜本番)
| 時期 | この時期にやること |
|---|---|
| 高2の冬〜高3春 | 基礎単語・基礎文法を固める(STEP1)。ここが遅れると、1年がずっと苦しくなる |
| 高3の春〜夏 | 構文を「取れる」状態に(STEP2)。並行して長文演習を始める(STEP3) |
| 高3の夏 | 共通テスト対策と並行しつつ、論説文の長文を毎日1題。音読も習慣化 |
| 高3の秋 | 記述の型づくり(STEP4)と、和文英訳・自由英作文を開始(STEP5)。ここから記述に本腰 |
| 共通テスト後〜直前 | 過去問を時間を計って解く(STEP6)。大問別に弱点を潰し、時間配分を確定させる |
見て分かる通り、英語は「直前に詰め込む」ができない科目です。とくに記述と英作文は、書いて直す反復に時間がかかる。逆算すると、秋には記述練習に入れている状態を作らないと間に合いません。
毎年多くの受験生がやる、5つの失敗
| やりがちな失敗 | なぜダメか |
|---|---|
| 単語を「読める」で止める | 記述式なので、書けなければ0点。英作文でも使えない |
| 構文を飛ばして長文に進む | なんとなく読めてしまうので、誤読に気づかないまま本番へ。和訳で崩れる |
| 説明問題を「頭の中で分かった」で済ます | 制限字数で日本語に落とすのは別の技術。書かないと絶対に上達しない |
| 英作文を後回しにする | 「時間が余ったらやる」が成立しない設問。直前に始めても間に合わない |
| 過去問を解きっぱなしにする | 解いた量ではなく、振り返った回数で差がつく。時間を計らないと本番の感覚が身につかない |
その力をつけるために、本当に必要なこと
ここまで読んで気づいたと思います。やることは、驚くほど多い。そして、その一つひとつに「それを支える仕組み」が要ります。
| つけたい力 | 本当に必要なこと |
|---|---|
| 単語・文法の土台 | 覚えたかを毎週テストして確認する仕組み(一人だと「覚えたつもり」で抜ける) |
| 構文を取る力 | 誤った読み方に気づかせてくれる第三者の目(自分では気づけない) |
| 長文の読解・音読 | 毎日続けるための管理(一人だと9割以上がどこかでサボる) |
| 記述・要約 | 書いた答案を見てもらうこと(自分では何点か採点できない) |
| 和文英訳・英作文 | 「書く→直す→また書く」の反復と添削(自己判断では精度が上がらない) |
| 時間配分 | 過去問を計測し、振り返る習慣(解きっぱなしでは本番の戦い方は身につかない) |
並べてみると分かります。新潟大学の英語で必要なのは、「参考書を買うこと」ではなく、それを「正しく・毎日・確認しながら」続ける環境です。単語帳も問題集も書店で買えますが、確認テストも、構文チェックも、毎日の管理も、質問へのその場での対応も、書店には売っていません。
よくある質問
Q. 新潟大学の英語は難しいですか?
A. 単語自体は注釈がつくため、極端に難しくはありません。難しいのは「全問記述」という点です。和訳・説明・英作文をすべて自分で書くため、共通テストで高得点でも、書く訓練がないと二次で苦戦します。
Q. 英語はいつから対策を始めるべきですか?
A. 基礎単語・文法は高2の冬〜高3春に固め始めるのが理想です。とくに記述と英作文は秋から本腰を入れる必要があるため、逆算すると夏までに構文と長文をある程度仕上げておきたいところです。
Q. 学部で英語の問題は変わりますか?
A. 変わりません。3年とも全学部が同じ大問I〜IIIを90分で解いています。ただし学部ごとに英語の配点比率は異なるので、他科目とのバランスは志望学部に応じて考える必要があります。
Q. 選択肢問題は本当に出ませんか?
A. 令和5〜7年度は全問記述でした。マークシート式の設問は一問もありません。
Q. 英単語はどのレベルまで必要ですか?
A. 難しい単語には注釈がつくため、マニアックな単語帳より『ターゲット1900』レベルを確実にする方が効果的です。ただし速く読むには一定量の語彙が前提になります。
Q. 自由英作文はどう準備すればいいですか?
A. 「自分の経験を語る型」と「賛否を述べる型」を1つずつ作っておき、実際に100語書いて語数を数えるところまでを毎回セットにしてください。そして必ず添削を受けること。自己判断では精度が上がりません。
Q. 和訳と説明問題、どちらを優先すべきですか?
A. どちらも出ます。ただし説明問題は日本語の要約力も必要で、対策に時間がかかります。早めに着手してください。
Q. 過去問は何年分やるべきですか?
A. 最低3年分です。3年並べて初めて、形式が安定していること・記述の字数が年で動くこと・出典がノンフィクションで固定されていることが見えます。
新潟大学に合格するには
ここまで読んでいるということは、本気で新潟大学に合格したいということだと思います。合格するために不可欠な要素は、次の5つです。
新潟大学の入試には独自の傾向があります。新潟大学に特化した計画を立てることで、合格への最短距離を進むことができます。多くの受験生や高校生は、自分オリジナルの計画で余計なことをしてしまったり、逆に必要なのにそれを飛ばしたりと、合格まで遠回りする計画を立ててしまいがちです。正しい計画を立てることが、一番の合格への近道です。
計画を毎日しっかり実行することが大切です。どれだけ素晴らしい100点の計画を立てても、実行しなければ意味はありません。とはいえ、1人だと9割以上の人がどこかでサボってしまうのが現実です。だからこそ、誰かに管理してもらう環境が欠かせません。逆に、正しい計画をサボらずにやりきれば、ほとんどの人が合格できます。
成績が上がるのは「分からなかった問題が分かるようになった時」だけです。もともと分かる問題を1,000回、1万回、10万回解いても点数は変わりません。まず必要なのは、分かるところと分からないところをはっきりさせること。それを明確にするのが毎週の確認テストです。2ヶ月や3ヶ月に1回では遅すぎます。1週間に1回、勉強した範囲が本当に身についているかをテストすることが大事なのです。
一度決めた計画がその通りに進むことはありません。先週の勉強量が少なかったのか、多すぎたのかを毎週振り返り、翌週の計画を一緒に決めていきます。1ヶ月に1回の面談では、その1ヶ月がダメだった場合、まるごと無駄になってしまいます。1週間に1回にすることで、計画が崩れてもリスクを最小限に抑えられます。
新潟大学に合格したことがない人が指導しても説得力がありません。実際に合格した先輩の指導だからこそ、アドバイスに説得力があります。また、志望する大学の先輩だからこそ、モチベーションも上がります。結局、受験勉強は辛いもの。継続するためのモチベーションを、毎週この新潟大学の講師と話すことで高めていきます。
独学・集団授業・個別指導では、なぜ難しいのか
この5つ、どれか1つでも欠けると合格は一気に遠のきます。しかし現実には、独学・集団授業・個別指導のいずれも、5つすべてを揃えるのは難しいのです。
| 合格に必要な要素 | 独学 | 集団授業 | 個別指導 | 新潟大学専門塾 |
|---|---|---|---|---|
| 新潟大学に特化した計画 | ✕ | ✕ | △ | ◎ |
| 毎日の学習管理 | ✕ | ✕ | ✕ | ◎ |
| 毎週の確認テスト | △ | △ | △ | ◎ |
| 毎週の面談 | ✕ | ✕ | △ | ◎ |
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