整数問題が「こわい」のは、決まった手順を知らないだけ
整数問題は、多くの受験生が「ひらめきがないと解けない」と思い込んでいる分野です。でも実際は逆で、出題される型はほぼ決まっていて、その型ごとに“最初にやること”が決まっています。ひらめきで解いているように見える人は、型を体にしみ込ませていて、問題を見た瞬間に「これは余りで分ける問題だ」「これは積の形に持ち込む問題だ」と判断しているだけです。
裏を返すと、型と“最初の一手”を覚えてしまえば、整数問題は一気に得点源に変わります。この記事では、新潟大学レベルで必要になる4つの型を、実際の問題を解きながら一つずつ見せていきます。読み終わるころには、整数問題を見て「まず何をすればいいか」が浮かぶようになっているはずです。
新潟大学の理系数学では、整数の性質を使う問題や、それを証明とからめる問題が出題されます。証明の書き方については証明問題の対策記事で詳しく扱っていますが、その土台になるのがこの整数の型です。
整数問題は、この4つの型で8割が解ける
まず全体像です。入試の整数問題の“最初の一手”は、次の4つのどれかに当てはまることがほとんどです。問題文の特徴と結びつけて覚えてください。
| 問題文に見えるサイン | 最初にやること(型) |
|---|---|
| 「◯で割った余り」「◯の倍数」が出てくる | 余りで場合分け(mod の考え方) |
| 「整数×整数=一定の数」に持ち込めそう | 積の形 ( )( )=n に因数分解して約数を調べる |
| 解が有限個しかなさそう/範囲がある | 不等式で候補を絞り、有限個に落とす |
| ax+by=c の形(1次不定方程式) | 1組の解を見つけて一般解をつくる |
この表が整数問題の“地図”です。以下、1つずつ実際に解いて、手の動かし方まで見せます。
型1:余りで場合分けする
「◯で割った余り」「◯の倍数であることを示せ」というタイプは、整数を“割った余り”で何通りかに分類するのが定石です。すべての整数は、3で割れば余り0・1・2の3通り、というように必ず有限のグループに分けられます。全部のグループで成り立てば、すべての整数で成り立つ、という論法です。
この型は、そのまま証明問題として出ることも、他の型の“下ごしらえ”として使われることもあります。「余りは何通りか」を最初に意識するクセをつけてください。
型2:積の形に持ち込む
分数の方程式や、xy などの積が混じった方程式は、( )( )=整数 の形に変形して、右辺の約数を調べるのが王道です。整数×整数で決まった数になるなら、かけ算の組み合わせは有限しかない――この性質を使います。
型3:不等式で範囲を絞る
「条件を満たす組をすべて求めよ」で、解が有限個っぽいときは、大小関係を仮定して、不等式で候補を有限に落とすのが効きます。対称的な式では x≤y≤z と決めてしまうと、一気に候補が減ります。
型4:1次不定方程式(ax+by=c)
7x+5y=1 のような形は、まず解を1組見つけて、そこから一般解をつくるのが手順です。係数が互いに素なことを使います。
問題文の言葉を、手に翻訳する
整数問題ができる人は、問題文の表現を“やること”に即座に翻訳しています。この対応を頭に入れておくと、初見の問題でも手が動きます。
| 問題文の表現 | 翻訳(やること) |
|---|---|
| 「◯で割った余り」「◯の倍数」 | 余りで場合分け(型1) |
| 「(整数)(整数)=一定」に見える | 積の形に因数分解して約数を調べる(型2) |
| 「すべて求めよ」で有限個っぽい | 不等式で範囲を絞る(型3) |
| 「ax+by=c」「◯円硬貨と△円硬貨で」 | 1組見つけて一般解(型4) |
| 「互いに素」「素数 p で割り切れる」 | 素因数分解して指数で考える |
整数問題で、よくある失敗
解き方を知っていても、次の失敗で点を落とす人がとても多いです。先に知っておけば防げます。
| よくある失敗 | なぜ起きる/どう防ぐ |
|---|---|
| 約数を数え忘れる(負の約数を見落とす) | ( )( )=n で正の組だけ調べて終わる。負の場合も検討したか毎回確認 |
| 場合分けの“もれ” | 3で割る余りなのに2通りしか調べていない等。分けたら通り数を数える |
| 範囲の端を確認しない | 不等式で絞ったあと、端の値が条件を満たすか代入チェックを省く |
| 答えの吟味をしない | x≤y≤z の条件や「正の整数」に反する解を消し忘れる |
整数問題を得点源にするための練習手順
読んで終わりにせず、次の順で手を動かしてください。
この⑤が独学だと一番むずかしいところです。自分では「型を全部試した」つもりでも、実は一番大事な一手が抜けていることが多い。そこを外から見てもらえるかどうかで、整数問題の伸び方は大きく変わります。
“最初の一手”が浮かべば、整数問題は作業になる
整数問題ができる人とできない人の差は、じつは知識量ではありません。ほとんどの差は、問題を見てから“最初の一手”を決めるまでの速さにあります。できない人は、式をなんとなく展開したり移項したりして、手が止まって、また別の変形を試して……と“さまよって”しまいます。時間だけが過ぎて、結局どの方針でも最後まで行けない。これがいちばん多い失点パターンです。
一方でできる人は、問題文のサインを読んだ瞬間に「これは範囲で絞る型」「これは積の形」と方針を1つに決めます。方針さえ決まれば、あとは決まった作業を淡々と進めるだけ。だから速いし、途中で迷いません。つまり整数問題の勉強とは、“さまよう時間”を“方針を選ぶ一瞬”に置き換える練習だと言えます。本記事の4つの型は、その「選ぶための引き出し」です。引き出しが4つあれば、初見でも「どれだ?」と当てにいけます。
余りの議論を短く書きたくなったら、合同式という道具があります。a と b を m で割った余りが等しいことを a≡b (mod m) と書くもので、たとえば「7≡1 (mod 3)」です。合同式を使うと、余りの計算を足し算・かけ算のように扱えて、場合分けの記述が短くなります。ただし必須ではありません。まずは型1「余りで場合分け」を日本語で丁寧に書けることを優先し、慣れてから合同式で時短する――この順番が安全です。
新潟大学では、こうした整数の性質を証明の形で書かせる問題が出ます。方針(どの型か)が立っても、答案として日本語で筋道を書けないと点になりません。逆に、方針さえ正しければ、書き方は証明の型に沿って整えるだけです。「方針=本記事の4型」「書き方=証明の型」と役割を分けて練習すると、整数×証明の複合問題でも崩れなくなります。
背理法:整数の“偶奇”で矛盾を作る
整数問題のもう一つの強力な武器が背理法です。「成り立たないと仮定すると、おかしなこと(矛盾)が起きる。だから成り立つ」という論法で、とくに無理数であることの証明で威力を発揮します。ここでも土台になるのは型1の“余りで分類”――偶数か奇数か、という2で割った余りの議論です。
このように、4つの型は単独で使うだけでなく、背理法や証明の中の“部品”としても働きます。だからこそ、まず型を確実に手になじませることが、応用問題への一番の近道になります。難しそうな問題ほど、分解すれば知っている型の組み合わせでできています。
よくある質問
Q. 整数問題は才能がないと解けませんか?
A. いいえ。出題される型は限られていて、型ごとの“最初の一手”を覚えれば大半は解けます。才能ではなく、型の暗記と反復です。
Q. どの型から練習すればいいですか?
A. 「余りで場合分け」と「積の形」の2つが最頻出です。まずこの2つを型ごとに連続で解いて反応を作ると、効果が早く出ます。
Q. 証明とからむと急に解けなくなります
A. 方針(どの型か)と、書き方(証明の型)を分けて練習してください。方針は本記事の4型、書き方は証明の記事で。分けると詰まりが減ります。
Q. 合同式は使ったほうがいいですか?
A. 余りの議論を短く書ける便利な道具ですが、必須ではありません。まずは「余りで場合分け」を丁寧に書けることを優先し、慣れてから合同式で時短すると安全です。
Q. 答えは合うのに減点されます
A. 場合分けのもれ、約数の数え忘れ、答えの吟味不足が典型です。本文の“よくある失敗”表を、解いたあとの見直しチェックリストに使ってください。
Q. 過去問はいつから解きますか?
A. 型を一通り身につけてからで十分です。型が入る前に過去問を解いても“解けない体験”が増えるだけ。まず型、次に過去問で方針選びの練習、の順が最短です。
新潟大学に合格するには
ここまで読んでいるということは、本気で新潟大学に合格したいということだと思います。合格するために不可欠な要素は、次の5つです。
新潟大学の入試には独自の傾向があります。新潟大学に特化した計画を立てることで、合格への最短距離を進むことができます。多くの受験生や高校生は、自分オリジナルの計画で余計なことをしてしまったり、逆に必要なのにそれを飛ばしたりと、合格まで遠回りする計画を立ててしまいがちです。正しい計画を立てることが、一番の合格への近道です。
計画を毎日しっかり実行することが大切です。どれだけ素晴らしい100点の計画を立てても、実行しなければ意味はありません。とはいえ、1人だと9割以上の人がどこかでサボってしまうのが現実です。だからこそ、誰かに管理してもらう環境が欠かせません。逆に、正しい計画をサボらずにやりきれば、ほとんどの人が合格できます。
成績が上がるのは「分からなかった問題が分かるようになった時」だけです。もともと分かる問題を1,000回、1万回、10万回解いても点数は変わりません。まず必要なのは、分かるところと分からないところをはっきりさせること。それを明確にするのが毎週の確認テストです。2ヶ月や3ヶ月に1回では遅すぎます。1週間に1回、勉強した範囲が本当に身についているかをテストすることが大事なのです。
一度決めた計画がその通りに進むことはありません。先週の勉強量が少なかったのか、多すぎたのかを毎週振り返り、翌週の計画を一緒に決めていきます。1ヶ月に1回の面談では、その1ヶ月がダメだった場合、まるごと無駄になってしまいます。1週間に1回にすることで、計画が崩れてもリスクを最小限に抑えられます。
新潟大学に合格したことがない人が指導しても説得力がありません。実際に合格した先輩の指導だからこそ、アドバイスに説得力があります。また、志望する大学の先輩だからこそ、モチベーションも上がります。結局、受験勉強は辛いもの。継続するためのモチベーションを、毎週この新潟大学の講師と話すことで高めていきます。
独学・集団授業・個別指導では、なぜ難しいのか
この5つ、どれか1つでも欠けると合格は一気に遠のきます。しかし現実には、独学・集団授業・個別指導のいずれも、5つすべてを揃えるのは難しいのです。
| 合格に必要な要素 | 独学 | 集団授業 | 個別指導 | 新潟大学専門塾 |
|---|---|---|---|---|
| 新潟大学に特化した計画 | ✕ | ✕ | △ | ◎ |
| 毎日の学習管理 | ✕ | ✕ | ✕ | ◎ |
| 毎週の確認テスト | △ | △ | △ | ◎ |
| 毎週の面談 | ✕ | ✕ | △ | ◎ |
| 新潟大合格者の講師 | ✕ | △ | △ | ◎ |
独学は計画も管理も自分次第。集団授業は全員に同じ内容を進めるため、あなた専用の計画にはなりません。個別指導は授業の時間は見てもらえますが、「授業以外の毎日」まで管理してくれる塾はほとんどない——ここが最大の落とし穴です。受験の勝敗は、授業の時間より授業以外の膨大な時間で決まります。
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