新潟大学 化学 理論分野の対策|molから平衡まで手順で

こんなお悩み、ありませんか?
  • molが何なのか腹落ちしていない
  • 計算問題でいつも崩れる
  • 反応式が覚えられない
  • 化学平衡の動く向きが分からない
春日一心
こんにちは、新潟大学専門塾の春日です。理論化学の正体は、molで物質の“個数”を数える計算技術です。この記事では、mol・濃度・中和・酸化還元・化学平衡を、実際に解きながら土台から組み立てます。ここが固まると、無機も有機も一気に解けるようになります。
この記事でわかること
  • molを“個数の単位”として腹落ちさせる
  • 量的関係・中和・酸化還元の解き方(例題つき)
  • 化学平衡をルシャトリエで判断する型
  • よくある計算ミスと、崩れない練習手順

この記事を書いた人
春日一心(新潟大学専門塾 代表)

春日一心

新潟大学専門塾 代表

  • 偏差値30台から、独学で新潟大学に合格
    高校自体の偏差値は40台、その中でも自分は下位で、偏差値は30台からのスタートでした。そこから独学で新潟大学に合格しました。
  • 塾講師歴4年、新潟大学合格者を多数輩出
    新潟大学受験に特化した「新潟大学専門塾」の代表。塾講師として指導した生徒から、新潟大学の合格者を多く出してきました。
  • 新潟市西区で「徹底管理塾」も運営
    オンラインの新潟大学専門塾に加え、新潟市西区で対面の「徹底管理塾」も運営しています。

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理論化学は、暗記科目ではなく“計算の土台”

化学で伸び悩む人の多くは、理論化学を「用語の暗記」だと思っています。でも理論化学の正体は、molという単位で物質の“個数”を数え、その個数で反応を追いかける計算の技術です。ここが腹落ちすると、無機も有機も一気に解けるようになります。逆に、molが曖昧なまま先に進むと、どの分野でも計算で崩れます。

この記事では、理論化学の背骨である「mol・濃度・中和・酸化還元・化学平衡」を、実際に計算しながら順番に組み立てます。読み終えるころには、化学の計算問題で“何を求めればいいか”が見えるはずです。分野ごとの深掘りは化学全体の対策記事有機化学の記事にゆずり、ここでは全分野に効く“計算の芯”に集中します。

すべての出発点:molは「個数の単位」

molは難しい概念ではありません。「12個ずつ=1ダース」と同じで、「6.0×10²³個ずつ=1mol」というだけの“数のまとめ方”です。原子や分子は小さすぎて1個ずつ数えられないので、molという大きな束で数えます。

大事なのは3つの橋です。質量↔mol は「モル質量(g/mol)」気体の体積↔mol は「標準状態で22.4 L/mol」個数↔mol は「6.0×10²³ /mol」。この3本の橋を行き来できれば、量的関係の問題はほぼ解けます。

例題1:量的関係の基本

標準状態で 5.6 L のメタン CH₄ を完全燃焼させたとき、生成する二酸化炭素は何 g か。(C=12, H=1, O=16)

  1. まず与えられた気体を mol に:5.6 L ÷ 22.4 L/mol = 0.25 mol のCH₄。
  2. 反応式を書く:CH₄ + 2O₂ → CO₂ + 2H₂O。係数比より CH₄ : CO₂ = 1 : 1。
  3. よって CO₂ も 0.25 mol 生成する。
  4. 質量に戻す:CO₂ のモル質量は 12+16×2 = 44 g/mol。0.25 mol × 44 g/mol = 11 g
  5. ポイント:「与えられた量→mol→(係数比)→mol→求める量」。この一本道を必ず通る。単位を書きながら進めると事故が減る。

濃度と中和:molが分かれば怖くない

モル濃度(mol/L)は「1Lあたり何molか」。mol = モル濃度 × 体積(L)で、いつでも mol に戻せます。中和は「酸が出すH⁺のmol=塩基が受け取るOH⁻のmol」になる点を求めるだけです。

例題2:中和滴定

0.10 mol/L の塩酸 200 mL を中和するのに、0.050 mol/L の水酸化ナトリウム水溶液は何 mL 必要か。

  1. 塩酸のmol:0.10 mol/L × 0.200 L = 0.020 mol の HCl(=H⁺も0.020 mol)。
  2. 中和では H⁺ の mol=OH⁻ の mol。必要な NaOH は 0.020 mol。
  3. 体積に直す:0.020 mol ÷ 0.050 mol/L = 0.40 L = 400 mL
  4. ポイント:まず両者を mol にそろえる。価数が2の酸・塩基(H₂SO₄ など)は「H⁺のmol=濃度×体積×価数」を忘れない。

酸化還元は、半反応式を“組み立てる”

酸化還元は覚える反応が多く見えますが、半反応式を自分で作れれば丸暗記はいりません。半反応式づくりには決まった手順があります。

例題3:半反応式の作り方

過マンガン酸イオン MnO₄⁻ が酸性下で Mn²⁺ になる半反応式を作れ。

  1. 両辺の主役をそろえる:MnO₄⁻ → Mn²⁺(Mnは1個ずつでOK)。
  2. O を H₂O で合わせる:左に O が4個 → 右に H₂O を4個。MnO₄⁻ → Mn²⁺ + 4H₂O。
  3. H を H⁺ で合わせる:右に H が8個 → 左に H⁺ を8個。MnO₄⁻ + 8H⁺ → Mn²⁺ + 4H₂O。
  4. 電荷を e⁻ で合わせる:左の電荷は −1+8=+7、右は +2。左に e⁻ を5個足す。
  5. 完成:MnO₄⁻ + 8H⁺ + 5e⁻ → Mn²⁺ + 4H₂O
  6. ポイント:「主役→O を水→H を H⁺→電荷を e⁻」の順で必ず作れる。酸化剤・還元剤の半反応式は、この手順で自作できる。

化学平衡:ルシャトリエで“動く向き”を読む

化学平衡は、正反応と逆反応がつり合って見かけ上止まった状態です。条件を変えると、その変化をやわらげる向きに平衡が動きます(ルシャトリエの原理)。判断の型は次の通りです。

変えた条件 平衡が動く向き
濃度を増やす 増やした物質を減らす向き(消費する側)へ
圧力を上げる(気体) 気体の分子数が少ない側へ
温度を上げる 吸熱の向き(=発熱反応なら逆向き)へ
例題4:平衡移動の判断

N₂ + 3H₂ ⇌ 2NH₃(正反応は発熱)。(1)圧力を上げる (2)温度を上げる と、平衡はどちらに動くか。

  1. (1)圧力↑:気体の分子数を比べる。左は 1+3=4、右は 2。分子数の少ない右(NH₃生成側)へ動く。
  2. (2)温度↑:正反応が発熱なので、逆反応(分解)が吸熱。温度を上げると吸熱の向き=左(分解側)へ動く。
  3. ポイント:アンモニア合成は「高圧は有利・高温は不利」。実際は反応を速めるため、触媒を使い妥協した高温高圧で行う、という応用にもつながる。

平衡定数 K は「生成物の濃度の積 ÷ 反応物の濃度の積(係数は指数)」。数値が与えられたら、この式に代入して未知の濃度を求めます。K は温度でのみ変わり、濃度や圧力では変わらない――ここが頻出のひっかけです。

理論化学で、よくある失敗

よくある失敗 どう防ぐ
単位を書かずに計算する g・mol・L・mol/L を毎行つける。単位が消えれば式が正しい証拠
価数を忘れる(中和・酸化還元) H₂SO₄ は2価、MnO₄⁻ は e⁻5個。価数を最初に確認
標準状態でない気体に22.4を使う 22.4 L/mol は標準状態限定。条件を読む
Kが濃度・圧力で変わると誤解 K が変わるのは温度のときだけ

理論化学を固める練習手順

明日からの進め方

計算で崩れない化学の作り方

  1. ①molの3本の橋を暗唱する。質量↔mol、体積↔mol、個数↔mol。ここが全ての土台。
  2. ②量的関係の基本問題を10問。「量→mol→係数比→mol→量」の一本道を体に入れる。
  3. ③中和・酸化還元を半反応式づくりから。反応を暗記でなく“作る”練習に切り替える。
  4. ④化学平衡はルシャトリエの3条件を型で。濃度・圧力・温度の3パターンを即答できるまで。
  5. ⑤間違えた計算は“どの橋で落ちたか”を記録する。単位換算・価数・係数のどこでミスるかは人によって決まっている。

⑤の“自分のミスの癖”は、自分ではなかなか気づけません。同じところで毎回落ちているのに、本人は「たまたま」と思ってしまう。ここを外から指摘してもらえると、計算の事故がはっきり減ります。

電池・熱化学も、molと電子で追える

酸化還元が半反応式で作れるようになると、その延長で電池も解けます。電池は「酸化される側」と「還元される側」を導線でつないで、電子の流れを取り出す装置です。ポイントはただ一つ、イオン化傾向が大きい金属ほど、電子を出して溶けやすい(酸化されやすい)。溶ける側が負極、もう一方が正極です。

例題5:ダニエル電池

亜鉛板を硫酸亜鉛水溶液に、銅板を硫酸銅(II)水溶液に浸してつないだダニエル電池で、各電極の反応と電子の流れる向きを答えよ。

  1. イオン化傾向は Zn > Cu。イオンになりやすい亜鉛が酸化される。
  2. 負極(亜鉛板):Zn → Zn²⁺ + 2e⁻(酸化)。亜鉛板は溶けて質量が減る。
  3. 正極(銅板):Cu²⁺ + 2e⁻ → Cu(還元)。銅が析出して質量が増える。
  4. 電子は導線を通って 負極(Zn) → 正極(Cu) へ流れる(電流の向きはその逆)。
  5. ポイント:「イオン化傾向が大きい方が溶ける=負極」。あとは酸化・還元の半反応式を書くだけ。電池も酸化還元の応用にすぎない。

熱化学も同じで、反応熱を“足し引きできる量”として扱うだけです。ヘスの法則は「反応熱は、途中の経路によらず、最初と最後だけで決まる」というもの。だから、直接測れない反応熱でも、わかっている熱化学方程式を足したり引いたりして求められます。エネルギー図(高さ=エネルギー)を描くと、発熱・吸熱の向きと大きさが目で見えて、符号ミスが減ります。ここも「暗記」ではなく「組み立て」です。

平衡定数を“使える”ようにする

平衡定数 K は、平衡状態での「生成物の濃度の積 ÷ 反応物の濃度の積」(各濃度は係数を指数にする)で定義されます。aA + bB ⇌ cC + dD なら K = [C]ᶜ[D]ᵈ ÷ [A]ᵃ[B]ᵇ です。K が大きいほど、平衡は生成物寄りだと分かります。

計算問題では、反応した量を x と置いて、平衡時の各濃度を x で表し、K の式に代入して x を解くのが定番の流れです。最初は表(はじめ・変化・平衡)を書いて、各物質の平衡濃度を整理すると崩れません。そして忘れてはいけないのが、K の値が変わるのは温度を変えたときだけだということ。濃度や圧力を変えても平衡は動きますが、K そのものは変わりません。ここは毎年どこかの大学でひっかけに使われる頻出ポイントです。

こうして見ると、理論化学は「molで数える」「半反応式で組む」「濃度で平衡を追う」という数個の“芯”の繰り返しでできています。無機化学の沈殿や気体、有機化学の構造決定でさえ、量的関係の計算がついて回ります。だから理論化学に投資した時間は、化学のすべての分野に効いてきます。急がば回れで、まずこの芯を固めるのが、結局いちばんの近道です。

気体は、状態方程式ひとつで全部つながる

理論化学でもう一つ落とせないのが気体です。ここも覚えることは多くありません。PV = nRT(状態方程式)という1本の式に、気体のふるまいがすべて詰まっています。圧力P・体積V・物質量n・温度T(絶対温度)の関係で、有名なボイルの法則(PV一定)もシャルルの法則(V/T一定)も、この式の“一部を固定した特別な場合”にすぎません。だから、個別の法則を丸暗記するより、状態方程式1本を使いこなすほうが速くて確実です。

例題6:状態方程式の計算

27℃、1.0×10⁵ Pa で、0.50 mol の理想気体が占める体積は何 L か。気体定数 R = 8.3×10³ Pa·L/(mol·K) とする。

  1. 状態方程式 PV = nRT を、求める V について変形:V = nRT / P。
  2. 温度を絶対温度(K)に直す:27℃ = 27 + 273 = 300 K。(ここを忘れる人が非常に多い)
  3. 代入:V = (0.50 × 8.3×10³ × 300) ÷ (1.0×10⁵)。
  4. 分子を計算:0.50 × 8.3×10³ × 300 = 1.245×10⁶。これを 1.0×10⁵ で割る。
  5. V ≒ 12 L
  6. ポイント:温度は必ずケルビンに。単位をそろえれば、あとは代入するだけ。気体の問題の8割はこの一本で足りる。

混合気体では分圧の考え方が加わります。全体の圧力(全圧)は、各成分の圧力(分圧)の和に等しく(ドルトンの法則)、各成分の分圧は「全圧 × その成分のモル分率」で求められます。ここでも結局は“molで割合を出す”という理論化学の芯が効いています。molが分かっていれば、気体も濃度も平衡も、同じ道具で追いかけられるのです。

春日一心
ここまで読んで、やることの多さに気づいたと思います。新潟大学の理論化学の対策は、正しくやれば必ず伸びます。問題は、その「正しく」を一人で用意し続けられるか
新潟大学専門塾が、いっしょにやっていること
  • molや量的関係のどこでつまずいているかを見極めて、崩れている土台から順に組み直します
  • 計算問題は過程まで見て、あなたのミスの癖(単位・価数・係数)を特定します
  • わからないことは、いつでもすぐ質問できる環境。週1回の授業を待たずに、手が止まったその場で疑問を解決できます
  • 毎日の演習量を記録し、手を動かし続ける仕組みで計算力を積み上げます

参考書は本屋で買えます。でも、上のような「続ける仕組み」と「見てくれる目」は、本屋には置いていません。そこだけを、僕たちが引き受けます。

学部別の「受かり方」一覧

志望学部の合格最低点と戦略を、大学公表データからまとめています。気になる学部をチェックしてください。

よくある質問

Q. 理論化学と無機・有機、どれから?

A. 理論化学が先です。molや量的関係が無機・有機の計算の土台になるため、ここが曖昧だと他分野も崩れます。

Q. molがどうしても苦手です

A. molを「6.0×10²³個ずつの束」という“個数の単位”として捉え直してください。質量・体積・個数への3本の橋を往復する練習をすると、急に楽になります。

Q. 反応式が覚えられません

A. 酸化還元は半反応式を“作る”手順を覚えれば丸暗記は減ります。本文の作り方を、いくつかの酸化剤・還元剤で反復してください。

Q. 化学平衡の計算が難しいです

A. まずルシャトリエで“動く向き”を判断できるように。数値計算は平衡定数の式に代入するだけなので、向きの判断が先です。

Q. 計算ミスが多いです

A. 単位を毎行書く、価数を最初に確認する、の2つで大半が防げます。どの工程でミスるかを記録すると、自分の癖が見えます。

Q. 共通テストと二次で対策は違いますか?

A. 土台(mol・量的関係)は共通です。二次は記述・考察が増えるので、計算過程を丁寧に書く練習を足してください。理科が必須の学部は二次の科目・配点で確認を。

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新潟大学に合格するには

ここまで読んでいるということは、本気で新潟大学に合格したいということだと思います。合格するために不可欠な要素は、次の5つです。

1
新潟大学に特化した計画で勉強する

新潟大学の入試には独自の傾向があります。新潟大学に特化した計画を立てることで、合格への最短距離を進むことができます。多くの受験生や高校生は、自分オリジナルの計画で余計なことをしてしまったり、逆に必要なのにそれを飛ばしたりと、合格まで遠回りする計画を立ててしまいがちです。正しい計画を立てることが、一番の合格への近道です。

2
計画を毎日やりきる継続力

計画を毎日しっかり実行することが大切です。どれだけ素晴らしい100点の計画を立てても、実行しなければ意味はありません。とはいえ、1人だと9割以上の人がどこかでサボってしまうのが現実です。だからこそ、誰かに管理してもらう環境が欠かせません。逆に、正しい計画をサボらずにやりきれば、ほとんどの人が合格できます。

3
毎週の確認テスト

成績が上がるのは「分からなかった問題が分かるようになった時」だけです。もともと分かる問題を1,000回、1万回、10万回解いても点数は変わりません。まず必要なのは、分かるところと分からないところをはっきりさせること。それを明確にするのが毎週の確認テストです。2ヶ月や3ヶ月に1回では遅すぎます。1週間に1回、勉強した範囲が本当に身についているかをテストすることが大事なのです。

4
毎週の面談

一度決めた計画がその通りに進むことはありません。先週の勉強量が少なかったのか、多すぎたのかを毎週振り返り、翌週の計画を一緒に決めていきます。1ヶ月に1回の面談では、その1ヶ月がダメだった場合、まるごと無駄になってしまいます。1週間に1回にすることで、計画が崩れてもリスクを最小限に抑えられます。

5
新潟大学に合格した経験のある講師の指導

新潟大学に合格したことがない人が指導しても説得力がありません。実際に合格した先輩の指導だからこそ、アドバイスに説得力があります。また、志望する大学の先輩だからこそ、モチベーションも上がります。結局、受験勉強は辛いもの。継続するためのモチベーションを、毎週この新潟大学の講師と話すことで高めていきます

独学・集団授業・個別指導では、なぜ難しいのか

この5つ、どれか1つでも欠けると合格は一気に遠のきます。しかし現実には、独学・集団授業・個別指導のいずれも、5つすべてを揃えるのは難しいのです。

合格に必要な要素 独学 集団授業 個別指導 新潟大学専門塾
新潟大学に特化した計画
毎日の学習管理
毎週の確認テスト
毎週の面談
新潟大合格者の講師

独学は計画も管理も自分次第。集団授業は全員に同じ内容を進めるため、あなた専用の計画にはなりません。個別指導は授業の時間は見てもらえますが、「授業以外の毎日」まで管理してくれる塾はほとんどない——ここが最大の落とし穴です。受験の勝敗は、授業の時間より授業以外の膨大な時間で決まります。

新潟大学専門塾には、この5つがすべて揃っています。
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